拾われた日

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今僕ことアレン•ディルムはエレス•レア•ナージャさん宅で食事の並んだテーブルで彼女と向かい合わせで座っている。そして彼女はすごい笑顔だった 2日前 「私はエレス•レア•ナージャ!王国学園の理事長!そして、王国騎士団団長です!貴方たちを連行します!」 彼女がそう言うと奴隷市場の商人や客は慌てふためき、逃げ惑うも白い騎士たちに確保、連行されて行った。 そんな中、彼女の近くにいた僕の買い主は彼女に目をつけられた。 それに気づいた買い主は僕を人質に取る。 客「おいお前!それ以上近づいてみろ!このガキの命がないぞ!」 エレス「今すぐその子を離しなさい。これは忠告です、二度はありませんよ」 客「うるせえ!早くそこをどけ…」 僕の買い主はセリフを言い切る前に倒れた。彼女が手刀を入れたのだ。 そして僕も一緒倒れかけた時、彼女が僕を支えてくれた。 エレス「もう大丈夫ですよ。ゆっくりおやすみなさい」 僕はその言葉を聞くや否や、意識を無くした。 それから2日が過ぎた日の朝、僕は見た事もない天井、そしてベッドの上で寝ていた。まだ視界がハッキリしないまま、僕の隣に誰かがいるのが分かった。 そして段々と見えるようになり、その誰かが僕を助けてくれたエレスさんだと分かった。そして彼女は僕が起きたことに気が付いた。 エレス「あら、目が覚めたのですね、良かったわ。具合はどう?痛いところはないですか?」 アレン「だ、大丈夫です。えっと、確かエレスさん、でしたよね。助けてくれてありがとうございます。ところでここは一体」 エレス「私の家よ。君を保護したのはいいけど、身元が分からなくてね。私が預からせてもらったの」 アレン「そうですか、ありがとうございました。それでは僕はこれで」 アレンはベッドから降り、部屋から出て行こうとする。 しかしそれはエレスに阻止され、またベッドに寝かされた。 エレス「ダメですよ。まだ貴方の体は本調子ではないのよ?長い間の過度な労働、それに見合わない食事に休憩もしていない。そんな生活をしていたのです、まずはたっぷり休んで体力を付けないといけません!分かりましたか?」 アレン「は、はぁ…」 エレス「はい!よろしいです!それでは少し寝ていてください。私はご飯を作ってくるので。あ、またベッドから起きようとしてはいけませんよ?いいですか?」 アレン「わ、分かりました…」 エレスはそう言い残すと部屋を出て行った。 アレンは正直動ける体力も気力もないので素直に寝ることにした。 それは2時間ほどしたらエレスが戻って来た。 エレス「起きてください。お待たせしました、ご飯ができましたよ」 アレン「んん、エレスさん。おはようございます」 エレス「はい、おはようございます。さぁ、ご飯にしましょう?」 アレン「はい、ありがとうございます」 アレンはまだ力が入らないので、エレスが肩を貸してくれた。 エレスの家はかなり大きいらしく、部屋も幾つもあった。 そして話は冒頭に戻る。 僕とエレスさんは向かい合わせに座っている。目の前にはいつも僕らを管理していた商人たちが食べていたような温かいご飯が並んでる。 僕たちはいつも芽だけを取った生のイモなどしか食べていなかった。 こんな美味しいそうなものを食べてもいいのかだろうか。 僕が考えているのに気付いたのかエレスさんが エレス「さぁ、沢山食べてください。お代わりもありますから遠慮せずどうぞ」 彼女がそう言うので僕は「いただきます」っと言うとまずシチューに手をつけた。2日間寝ていたらしいので、まずはいに優しそうなものからと思ったからだ。 そして一口食べると、とても温かかった。 初めて温かい食べ物を口にた。 初めて誰かが、僕のために作ってくれた物を口にした。 初めて美味しいと心から思える物を口にした。 僕はそれに涙が止まらなかった。何としてもエレスさんに気づかれないようにと下を向きながらシチューを食べ続けた。でもきっと彼女は気が付いているだろう。 それから僕と彼女は一言も喋らず静かに、でも確かに幸せだと思える時間を過ごした気がする。
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