オカシイ?181【戦争とは】

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オカシイ?181【戦争とは】

  あくまで私の考えです。人それぞれ感じている事は違うと思うので。  戦争とは、悲劇しか生まない最も愚かな行為である。  被害者であり加害者。    加害者であり被害者。  幾千もの人たちの運命を狂わせ。 幾多もの家族を悲しみのどん底に陥れた事か。  時の権力者達は。人生の総仕上げに。 “他人は出来ないであろう?” “大きなことを自分がするのだ” という事に挑みたくなって。 さらなる名声が得られる! と思うのだろうか?  残念ながら。 それまで築き上げてきた成功の物語が。 最後の最後で音を立てて崩れさり。 "勝者"目線で描かれてきた人生が。 最後の最後に "失敗した" 事実が加えられるために。 前半生で華々しい生き様が。最後の悲しい結末とのギャップに押しやられ。  あの人は素晴らしい人だった。   という評価もあれば。  最後の最後で残念な人だ……  評価が割れる結果になる人達が多いように思うのだ。     沖縄県の米軍基地にて働いてきた方で。  先の第二次世界対戦で。  自分の作った武器が。  『戦地に送られていた』  という事を。  知った方が、インタビューに答えていたのだが。 自分の作った武器で。 『人を殺してしまったかもしれない』  なんと悲しい辛い言葉だろう。    戦争を仕掛けて負けた国。  攻め込まれて勝ったった国。  それ以外にも、様々な立場の国があるだろ う。  敗戦国だから単純に被害者。 という訳ではない。 戦勝国だから単純に加害者 という訳ではない。  ある日、一家の働き手が戦争に戦場に送られてしまった。   被害者。  自らを守るため誰かを殺した。   加害者。  戦地から家族が帰ってこなかった。  被害者。  しかし、戦地にて戦っている最中に誰かを殺めてしまっているかもしれない。   加害者。  仕掛けた側から戦争に参加して。手柄をあげて帰ってきた。 しかし、重傷を負う怪我をして帰ってきた。    加害者であり被害者。     家族が亡くなった家族。  被害者。  勝利国でも。  家族が怪我をして帰ってきて。相手は敗戦国の人間でも。  家族からすれば、その人は加害者。  それ以外にも。様々なパターンの悲劇がそれぞれの家族にあることだろう。    戦争とは、そんな矛盾を数多く生み出した愚かな行為なのだ。      良くも悪くも。抽象的な曖昧な表現で物事を表す日本人。  直接的な表現や言葉で、先の対戦に加わった人に対し、話を聞くのは失礼である。  『上司に命令されたから人を殺めた』  敗戦国なのだから。その傷にズカズカと踏み込むのはダメな事だ。  そんな風潮が長い事日本にはあった。   どこか、ぼんやりとした輪郭でしか捉えていなかった戦争というものの悲惨さを。  今、私たちは SNS やテレビ報道などで目の当たりにしている。  『なぜ戦争が起こったの?』  『お父さんはなぜ戦争に行ったの?』  『お父さんは戦地で何をしてきたの?』   子供には真実を知る権利がある。   そして、問われた時。   親は子供に説明をしなければならない。  それは、今戦っている国の人達だけじゃなく。  第三者の我々。大人も子供達に説明をしなければならない。  メディアや SNSで、見つめているのは、子供達も同じだと思う。  目にした、目の前の悲劇を。  曖昧や抽象的な表現では、説明する事はできない。  悲惨な状況。  むやみやたらと、誰かの。何かの。秘密を話す事は許されない。     曖昧に抽象的に。表現する事柄が必要な事もある。  その人の背負ってきたものを、知る時は相手に配慮する。    正しい意見だ。  しかし、今起きている戦争。    自らの意志で戦闘に参加した人。  軍事訓練などの名目で戦地に送られた人。 有無を言わせず戦地に送られた人。 それぞれの人にそれぞれの家族がいる。  いつの日か。 その戦争はなぜ起きて。 誰のために。 なぜ戦う事になったのか。     知りたいと思う日が来るだろう。 戦争に加わった人に。直接的な言葉で。 『人を殺して何を思うか?』 尋ねる人がいたとして。  眉をひそめる人もいるだろう。  『上に命令されたから人を殺した』 それも真実。 『もしかたら、自分の作ったもので人が死んだのでは』 それも真実。 それぞれの人に。 それぞれの立場の、戦争への感じ方がある。 直接的な言葉でしか、今起こっていることが説明できないのなら。  後世に、戦争の悲惨さというものを伝えるのならば。     尋ねる方も、答える方も曖昧にぼかしてはならないと……  今起こっている事から、目を逸らしてはいけないと。  多くの世界中の人達の心を傷付けた戦争。    その発端となった  裸の王様は。 被害者であり加害者。 加害者である被害者。 という。 悲しい人達の人生を、狂わせた事どう思っているのだろう?                        
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