仕事に嫌とは言えません

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「初めてですか……。でもまぁ、それほど手のかかる感じじゃない気がするし、何とか上手くやっていくよう努力します。そういえば、汐見君ってまだ若くなかったです?」  汐見は中途入社で、確かここでは二年目だったのではないか。中途入社なので年齢はよく知らないが、偶に社内で見かけるその姿は、新卒といっても差し支えないほど若い印象があった。  すると、天王寺は大きく頷いて、亜耶の言葉を肯定する。 「うん、若いよ。まだ二十代。えっと……二十七だったんじゃないかな」 「わかっ!!」  思わず叫んでしまった。 「ジェネレーションギャップ感じそうですね……」 「いや、最初はそう感じるかもしれないけど、遥はイマドキな感じに見えて意外としっかりしてる」 「……いやに推しますね?」 「僕、彼の面接に立ち会ってるから。結構買ってる」  天王寺が買っているということは、仕事はできるのだろう。そして、信頼に足る人物だとも思う。  しかし、二十七といえば、亜耶とはちょうど十歳離れていることになる。思わぬところで自分の年齢を自覚する羽目になり、亜耶はガックリと肩を落とした。 「今更自分の年を自覚して凹んでる場合じゃないですね。すみません。あとの二人は?」  亜耶の言葉に、天王寺は苦笑しながら答える。 「更に追い打ちをかけて申し訳ないけど、それより若いのがもう一人いる」 「うっ…」  亜耶が呻くのを気の毒そうに眺めながら、天王寺は後を続けた。
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