Resonade

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明け方。 ふと、目を覚ますとすぐ横で響が寝ていた。 響の綺麗な眉から高い鼻梁をうっとりと眺める。 睫毛も長いんだなぁ… 普段は、あまり気がつかなかったけれど、眠っていると色々発見できる。 律は、そっと体を起こして響の瞼にキスをした。 「ん……」 響がゆっくりと目を覚ました。 「りつ…?もう起きたのか?」 そう言って響は、律を抱き枕のようにぎゅうっと抱え込む。  暖房をつけっぱなしにしているけれど、やっぱり底冷えがしていたので、抱きしめられて律は、ホッとした。 「なぁ、律?」 目を閉じたままで響が言う。 「ん?」 「俺さ、高校出たら家出て働くから。一緒に住まないか?」 「え?」 「大学の費用までは、無理だけど、律の食う分くらい稼ぐからさ」 律は、嬉しくて涙が出てきた。 響にきゅっと抱きつく。 「うん、住む」 響は、律から少し体を離して顔を見た。 「ホントに、いいのか?」 「うん」 響は、凄く嬉しそうに笑うと、律にキスをした。 「じゃあ、俺、料理とか頑張るね。バイトもする」 「無理しなくていいよ。一緒にいてくれたらそれで」 「でも、俺も響の役に立ちたい」 「そっか、ありがとな」 ふたりで、もう一度深く唇を合わせた。
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