11. 目が離せない君 side Takato

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目が覚めると室内が薄暗かった。 隣にはまだ眠っている知花ちゃんがいて、微睡んでいたら…… そーっと左手を掴まれ、大きさを比べるみたいに知花ちゃんが手を重ね合わせるのがわかった。 ふっ、と小さく笑う気配が伝わってきて、頬に手を添えられて、輪郭をなぞるようにゆっくりと指を滑らせ始めた。 顎から喉仏、鎖骨へと指を辿らせるので、ムズムズとした感覚が走る。 「そろそろ反応しそうなんだけど」 本音を漏らしてパチっと目を開けると、知花ちゃんはまさか起きてると思わなかったのか、ビックリしたように固まった。 「ごめっ……なさ……。 えっ?い、いつから起きてたんですか?」 「手を重ねたあたりから」 正直に答えてみると、知花ちゃんが動揺するのがわかった。 「そっ…………。 お、起きてたなら言って下さい」
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