序章 黄金の勝利

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「アートディーラーには、資格とか必要なんですか?」 私が就職したときには、誰かの手に渡っているかもしれない。 でも、今まで大してやりたいこともなかった私が、こうして何か大きな力に動かされ、やりたいことを見つけてしまった。 諦めない。諦めたくない! 「あんた、本気?」 紗綾が呆れた声をあげる。 本気も本気。 そもそも就職も何の職業就きたいかわかってなかったし。 やりたいこともわからず、やたらめったら適当に説明会とか言ってたからなぁ……。 これも紗綾に呆れられてたけど。 あまりにも自分は真剣だったらしく、女性スタッフは一歩下がった。そして、ジッと黄金の勝利を見つめると、やがて私を見た。
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