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「山崎さん」
「は、はい!?」
動悸が酷いなかで、声をかけられて、心臓が爆発しそうになった。
声がひっくり返る。
「あ、す、すいません……」
「はじめは緊張するよね。これ、やっておいてもらっていい?」
「あ、はい」
呼吸を整えて、渡されたものをみる。
名簿のようだ。
それから、なんだろ?
レジュメ?
「これは──」
「柊木、電話だ」
瀧澤さんが、柊木さんに声をかける。柊木さんは、そそくさと行ってしまった。
手元にある、やり方が全くわからない仕事を見る。
とりあえず、中身を見てみることにした。
まずは名簿だ。
名簿には、法人の名前と電話、メールアドレス。また個人取引もあるようで個人の名前や電話もある。
これで、アポ取るのか?
よくわからん。
次だ、次!
次にレジュメを見る。
レジュメは、何かのプレゼン資料のようだった。
『知って楽しい絵画の世界』
企画?
付箋に『40』の数字が書いてあるけど、これは部数のこと?
コピーしろということだろうか。
これだけじゃわからない。
じっとしているわけにもいかないから、レジュメを持って立ち上がる。
柊木さんは、まだ電話中だ。
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