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「は? こんなこともできないのか」
「すみません。私が、伝えていなくて……」
「聞かなかった新卒が悪い。どう印刷するかくらい聞くだろ」
……私のせい?
私のせいか……?
聞かないといけないのか。
たしかに、瀧澤さんにはコピーすればいいのかどうかしか聞いてないけど……。
「すみません。やり直します」
「紙だってインクだってタダじゃないんだからな。いつまでも学生気分でいるなよ」
ギロリと見下ろされた。
レジュメのコピーを握った手が汗ばんで、レジュメがよれる。
私は頭を深く下げ、再びコピー機の前に立った。
そこから1ヶ月、地獄だった。
池袋支店の人はほとんど不在。外で営業をしていて、私は雑務をやった。
それは良いんだけど、困ったのは仕事をくれた人は電話に出ていたり、外営業でいなくなったりで、何をどうすればいいかわからなかったことだ。
なんとかやっても、瀧澤さんに文句を言われる。
なぜ聞かないのかと聞かれても、何も答えられなかった。聞ける状態じゃないと言っても、学生気分と言われるのが安易に想像ついた。
そんなこんなで、まともに仕事を覚えられないまま、池袋支店最後の日を迎えた。
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