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首もとには上品な赤色のスカーフ。スーツのポケットにインカムがチラリと見える。
どうやら、ここのスタッフのようだ。
驚きすぎて、声も出せずにいると、女性スタッフは微笑みかけてきた。
「申し訳ございません。先ほどから、穴が開くほどご覧になられておりましたので」
「……そんな見てました?」
「いや、めっちゃ見てたよ?」
女性スタッフにも紗綾にも言われ、私は苦笑した。そんな見ているつもりはなかったんだけどなぁ。
「もしよろしければ、『黄金の勝利』のご説明を差し上げますが?」
「宜しくお願いします」
紗綾の意見も聞かず、私はお願いする。
紗綾は呆れたようにため息をついた。
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