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僕が幼少期の頃、母は近所の卸問屋で働いていた。
この卸問屋は社長がおじいちゃんで、その他の従業員は社長の身内の人がほとんどだった。
まあ、いわゆる「家族経営」「同族経営」というものである。
この社長のおじいちゃんは中村さんと言い…僕はずっと「中村のおじいちゃん」と呼んでいた。
小学校と家の中間地点にこの卸問屋があって、学校帰りに僕がたまに寄り道して母の職場に行くと、中村のおじいちゃんによく可愛がってもらった。
行く度に缶ジュースやスナック菓子をくれた。
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