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そはかの人(シナリオ)
シナリオの学校の宿題に気を取られて、短編書けてないのでとりあえずシナリオの宿題を置いておきます。
男女の恋愛ものかな?って思うけど、年下の男の子との恋愛とかわりと好きなシチュエーション。
見にくいと思うので、シナリオの頭下げ規則は省きますね。今回は起承転結の起を書いてます。
ヴェローナに音大があるのかは知らない…。
〜〜〜
人 物
ノエミ・すみれ・アドルナート(28)ヴェローナ音楽大学オペラ科講師
山口健太郎(18)ヴェローナ音楽大学一年生
マリオ・サヴェッリ(24)ヴェローナ音楽大学大学院博士課程一年生
木崎トシ子(65)ノエミの祖母
幼少期のノエミ(7)小学生
〜〜〜
○洋館・ダイニング・暖炉の前(夜)
本棚の上にあるラジオから、オペラ「椿姫」『そはかの人か』が小さな音で流れている。
居間のテーブルの上にタロットカードが並んでいる。テーブルを挟んで、ノエミ・アドルナート(7)と木崎トシ子(65)が向き合って座っている。
ノエミ「ねえおばあちゃん、それでいつなの? 私が運命の人に会うのは」
トシ子「そうだね、お前は運命の人に出会うのは遅いかもしれないね」
ノエミは手にした椿の花びらをむしっている。
ノエミ「いいわ。私。下手な恋より、大恋愛がしたいから。略奪愛? 年の差? ものすごく年下もいいわね。ああでも我慢できるかなあ。その前に恋人ができちゃうかも」
トシ子「どんな恋をするにしても、相手のことをちゃんと考えて恋をしなくちゃいけないよ」
ノエミ、不満げな顔をしながら花びらをむしり続ける。
ノエミ「意味わかんない」
○T・そはかの人
オペラ「椿姫」『そはかの人か』が聴こえている。歌詞の字幕が流れる。
白い椿の花びらが一枚、また一枚と落ちていく。
○洋館・ダイニング(夜)
ドレスを着た女性歌手がオペラ「椿姫」『そはかの人か』を歌っている。
○ヴェローナの街の俯瞰風景
○ヴェローナ音楽大学・会議室
テレビの中に先ほどのダイニングのシーン。女性歌手の歌が終わる。
ノエミ・アドルナート(28)、テレビを消す。机に腰掛けると、女性歌手の歌を口ずさみながら白い椿の花びらをむしり始める。左手の薬指に金の指輪がはまっている。
机の上には花びらが積み上がっている。まだむしられていない花も半分程度残っている。
マリオ「(イタリア語)先生! 新しい生徒が研究室で待ってますよ!」
ノエミ「(イタリア語)はーい」
○ヴェローナ音楽大学・ノエミの研究室
ノエミ、ソファに座っている。その前に、リュックを背負った山口健太郎(18)が、手にしたノートを握りしめて立っている。
健太郎「(イタリア語)あー、えーと、僕、山口。先生。ファンです」
ノエミ「無理に下手なイタリア語を話す必要はないわ。わかるから」
健太郎「あ、え。先生。日本語わかるんですか」
ノエミ、肩をすくめる。
ノエミ「で、あなたは私に何を求めてるの?」
健太郎「あ、先生に僕の書いたオペラを指導してもらいたいんです。先生の出演された『椿姫』最高でしたね! 僕まだ中学生でしたけど、恋ってなんだか学んだ気がするんです!」
手にしたノートを差し出す健太郎。皮肉そうに大笑いしながらノートを受け取らないノエミ。
ノエミ「恋ねえ。これ、あなたが書いたの? 一番いいと思ってるところを歌ってみて」
健太郎、一瞬恥ずかしそうな表情をするが、リュックを置いて歌い出す。
○ヴェローナ音楽大学・正門前
学生たちが行き来している。
○ヴェローナ音楽大学・ノエミの研究室
歌い終わって荒い呼吸の健太郎。ノエミ、唇に当てていた椿の花を健太郎に投げる。健太郎、慌てて受け取る。
ノエミ「また、聞いてあげてもいいわ。それが枯れる前に」
ノエミの言葉を聞いて、微笑む健太郎。
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