第1章

1/9
89人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ

第1章

side 雄大(中1) 僕の父と母は仲が良かった とても仲が良くそんな両親が大好きだった でもある時から母は変わった 母は暴力を振るうようになった 父は出張が多く今日も地方に出張。 それを狙い目に僕に暴力を振るうようになった 始めはそこまで酷いものではなかったが日に日にエスカレートしてきた。 殴る蹴るは当たり前。体が中心的。アザもできた時もあった。 学校から帰る道のりがとても重い。 僕の家は集合住宅の3階の端っこ 3階の廊下を歩く足が鉛のように感じる… ガチャガチャと鍵を開け、ギィーと扉を開けると 「おかえり」 目の下にはクマ、髪は梳かずボサボサのままの母がいた 「………た、ただいま」 目が合わせられずキョロキョロと母の足元を見た。 母は寝巻きだった。昔は家にいても綺麗な身なりをしていたのに僕が中学生になってから正反対になってしまった。 「…早く入って。」 家は薄暗く不気味に感じた。 この後にされる事を考えると、今すぐここから逃げたいと感じる。 モジモジしている僕を見て母はイライラした様子で 「早く入れってば!」 僕の髪を鷲掴みにし家の中に無理やり引き込んだ。 「ご、ごめんなさい!!」 母の形相に身体が震える ドン!と突き飛ばされフローリングに尻もちをついた ガチャンと荒く扉の鍵を閉めて僕の方に振り向く 「……あんたなんか居なければ…」 最近の母の口癖… 1年前はそんな事言わなかった… 母の手伝いをすると『雄大…。本当に偉いね』と穏やかに褒めてくれてた あの頃の母に戻って欲しい。 そう思うが145cmの僕が160cmの母に勝てるわけがなく、されるがまま 耐えるしかなかった
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!