第1章

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母の言う幸せな未来に僕はいない それに対して悲しいと感じなくなっていたのも事実…。 また母は僕の上に馬乗りになり首に手をあてがうとぎゅうっと僕の首を閉めた 脳に心臓の音が響く 「…ガッッッ!!!」 抵抗したくても、両腕は母の足にがっしりと挟まれ動かない。必死に起き上がろうとしても母の体重で足も上がらない 「…がぁざんっッ!ヒュー…が、がぁざ…」 息が出来ない。 喉が潰れそう…キーーーンと耳にモスキート音のようなものが響く あぁ。僕、今日死ぬのかな…。 そう思った時 ガチャガチャ!!バンッッ!!!! 「実彩子!!!!!何してるんだ!!!」 怒号と共に父が帰ってきた 「…あ、あなた…」 突然の父の帰宅に唖然とする母 母の手が僕の首から離れた 「ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...!」 頬を腫らしながら咳き込む僕と僕に馬乗りになる母を父は交互に見る 「実彩子…お前……。」 「ち、違うのあなた…。これは…」 しどろもどろな母。 父はこの世のものとも思えないぐらいに怒っている。父のこんな姿も見たことない。 でも、そんな父を見て僕は只管に安心した 「…雄大!!雄大!!」 父は母を押しのけ僕をゆっくり起こした 「大丈夫か??雄大…」 とても心配している父の顔を見て 「父さん…と…とぅさ…ッッ!!!!」 僕はわんわん泣いた。父のヨレヨレのスーツにしがみつき泣いた ひとしきり泣いて少し落ち着いた僕を見て父は母の方に向かい パシンッ!!!! 勢いよく母の頬に平手打ちをした 「………実彩子、雄大にはもう金輪際近づくな!!!この子は俺が育てる」 父はそう言うと呆然と赤くなった頬に手を当てる母を残し、父方の実家に戻った。 父は母が僕に暴力を振っていた事に気が付かなかった事を何時間も謝った。 僕は父が救世主に見えた 程なくして、母との親子関係は無くなった。母は不倫をしていたらしく不倫相手に子どもがいることがバレ別れを告げられた事が暴力の原因らしい。 母は母親としての権利を剥奪され、僕は父と共に暮らす事になった。
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