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でも、父は直前まで僕が暴力を振るわれている事を知らなかったらしい。
出張が多いのに何故暴力に気がついたのだろう…
そう思ったが父方の祖父母の家で暮らしていても父は出張が多く聞く機会が少なく、いつの間にかその疑問すら忘れていた。
時が過ぎ、俺は大学生になった。
その頃には祖父母の家から離れ俺と父はアパートで二人暮しをしていた。
父の仕事は内勤に変わり出張が減った。
今では夜ご飯はほぼ毎日一緒に食べている。
それに俺にはたくさんの友達が出来た。
親友と呼べる奴もできた。
「雄大ー!!!」
大学の帰りに声をかけられた。
彼の名前はレオ・クラーク。
イギリス人と日本人のハーフらしく高校の時からの知り合い
レオとは高校3年間同じクラスで偶然にも大学も同じところを受けていた。
お互いに受験当日まで受験先の細かな事は伝えてなかったが試験会場でレオの姿を見た時はすごく驚いた。
正直レオはいい所の出で、父は国連の役員とかあれ?大手の社長??……よく知らないけど。
頭もよく俺のいた高校では勿体ないぐらい。
それに加えレオと俺が受験した大学は一流とは言えないごく普通の大学。
レオがこの大学を受ける意味が分からなかった。
でも本人は「ここでしか学べない事があるんだよ」と言ってはぐらかされた
…それにしても…
「お前って本当に、かっこいいよな」
隣で歩くレオを見てため息をつく
「え??なに急に雄大だって名前に似合わず可愛い顔してるよ?」
「…………いや、褒めてないそれ。」
レオは日本人の血が入っているのか疑問になるぐらい英国紳士って感じで180cmの長身イケメン。ブロンドのふわふわした髪をなびかせて行き交う人達を虜にしていく。
…一方で俺は母譲りの顔に167という男としてどうなの!?って思うぐらいの身長…
体も筋肉量も少なく、自身の見た目があまり好きじゃなかった。
「……僕は雄大のその顔好きだな。笑った時とかクシャッとなる感じとか」
ハハッ!と笑うレオの横腹にパンチを食らわす
「うぐっ。いったー。もう!冗談だよーだ。」
プクッと拗ねた振りをするレオ
「あ!!そうだ!今日も雄大の家に行っていい?雄大パパさんのご飯美味しいし!」
「あー。どうだろ…。聞いてみる」
とても奇遇なことに俺の家とレオの家はそんなに離れておらず、頻繁にレオは俺の家に来たがる
多分、金持ちさんだから庶民の暮らしを感じたいんだろう。
『プルルルル~~~。もしもし?雄大、どうした?』
電話をかけレオの事を聞くと
『あぁ!いいよ。今日は鶏もも買いすぎたと思ってたから!レオくん連れてきなさい』
「わかった。ありがとう」
父の許可を貰い電話を切る
「……。どうだった??」
「いいってさ。」
「!!!やったね!!」
レオは嬉しそに飛び跳ねた。
そのままその日は父とレオと俺の3人で夕食を食べた。
レオは父が作った料理を美味しい美味しいと言いながらバクバク食べた
父もそれが嬉しかったようでニコニコと笑っていた
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