第1章

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「そういえば、レオは俺の家来たことあるのに、俺はレオの家行ったことない!」 「え?あー。そうかも。今度来る??」 「え!いく!!」 レオの家は一軒家で大きな家だが外見だけで中は見た事ない。 お手伝いさんと弟と父親の4人で過ごしているらしいがほとんど父親は帰ってこないらしい 「いいなー、一軒家。憧れる」 「………ごめんな雄大。お父さんお仕事頑張るから。」 オイオイと泣き真似をする父 「あー。大丈夫大丈夫。俺は今のままで十分幸せだよ」 「…そ、そうか??」 八の字眉毛に上目遣いの父に40後半のおじさんなのにと思いながらも、そんな父が好きだった俺はクスッと呆れ半分笑ってしまった。 「雄大と雄大パパさんはとても仲いいんだね」 レオが目を細めながら俺らを見る それは多分、笑顔…だと思う レオとの夜ご飯はあっという間に終わった 「それじゃ、今度は僕の家に来てよ。」 「おう!ありがとう!」 「レオくん、また来てね」 玄関先でレオを見送ると嬉しそうに手を振って帰っていった 「本当にレオくんはかっこいいね。お父さんが女の子だったら即惚れてる」 ……………。 父はかっこいい時はかっこいいのだが、なんというかたまに変な事を言うというか… いや、ちょっと変なところがある 「……でもレオくんってあの時の子に似てるな」 「あの時の子?」 「ん?覚えてないか?まぁ、小学生の頃だしな。ほら、かわいい女の子を前にナンパしてたろ?」 「な!?!?ナンパ!?そんなことしてたっけ??って、そもそもレオは男だし」 「ま、それもそうか。ハハッ!」 大きな笑い声を響かせながらリビングに戻る父 「…まったく。変なことばっかり言うんだから」 …………でも、ナンパなんかした事有るっけ?? うーん。思い出せない。 少しモヤモヤしながら布団に入った。 うちはアパートながら2DKなので父と俺、それぞれの部屋がありゆったり寝られた 大学生の息子と40後半のオヤジが同じ部屋で寝るっていうのもどうかとは思うけど。
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