雪の降り始め

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雪の降り始め

出会いは、雪の降る日だった。 合コンで出会った彼を一目で気に入ってしまった。 だけど、なかなか声をかけられないまま会はお開きになってしまった。 連絡先くらい聞きたくてそわそわしながら外に出ると、外はどんどんと白く染まり始めていた。 雪だ。 大粒の雪がふわふわと地上に舞い降りていた。 「駅に着く頃にはびしょ濡れかなー」 彼が参った、という風に空を見上げて言った。 今だ、といつになく思いきって私は、傘を持っていなかった彼に相傘を勧めた。
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