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悪夢
終了のチャイムが鳴り響くのを聞いて、俺は目を覚ました。
答案用紙は真っ白。
俺の頭の中も真っ白。
終わった。
名前と受験番号だけ書かれた白い答案用紙を回収され、俺は天井を仰いだ。
第一志望の大学、さようなら。もう、ここには二度と来ない。
ていうか。どういうことだよ、これは。
目が覚めたら、試験終了とかあるか? ずっと寝過ごしたってわけ?
確かに、昨夜は眠れなかった。そもそも寝つきは悪いし、眠りも浅いし、謎の金縛りにはよくかかる。それにしたって、一番大事な入試の時間を、まるまる寝過ごすとか、ありえないだろ、おい。
この日のショックが大きすぎて、第二、第三志望にも落ち、結局、滑り止めの学校に補欠合格した。
入学式早々の健康診断で、俺のありのままの状況を伝えると、専門外来の受診を勧められた。
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