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タイムリミットは4時間後
「……う、うん?」
不意に僕の口からこぼれる声とともに、僕のまぶたは重い扉を開いた。カーテンの隙間から差し込む日差しが僕の瞳に差し込んでくる。目の前にあるのはいつものデスクと、いつものノートパソコン。昨日はサークルの忘年会で、それから徹夜で明日提出のレポートを完成させようとしていたのだが、どうやら酔っ払って机に突っ伏して寝落ちしてしまったらしい。そうだ。レポートを書かないといけないのだ。
と、ここまで記憶を巡らしたところで、何かが引っ掛かった。
え?明日提出のレポート???
昨日の段階で明日提出、ということは……まさか!
僕は慌ててスマホのカレンダーを開く。スケジュール帳に書かれていたのは、
民法総則レポート 提出期限 12月19日 14:00
の文字。そしてパソコンの画面右下の時計は現在、9時57分を示している。
そして目の前にある画面には1文字たりとも刻まれておらず、真っ白で綺麗な状態だ。そして与えられたレポートのテーマは
「無権代理行為と表見代理行為の法的性質について、判例を踏まえた考察」という、大学の授業をサボりまくっていた僕にはちんぷんかんぷんなもの。
「やばい!」
思わず僕は大声を上げた。タイムリミットはたったの4時間。僕の頭の中は目の前にあるWordの画面のように真っ白になった。
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