病室はパンドラの箱

私を気にして‼️

先ずはお向かいのベッドの女性
会話や家族の気配で60代かなと妄想
仮にアイスさんと命名
とにかく痒いのと痛いのと
全てをネガティブに受け止める傾向がある
食事に関しても毎回リクエストする
そんな自分が気になるのか
色々ごめんなさいと謝りながら
リクエストは過酷になる
食べるがとても辛そうで
アイスだけの食事をリクエスト
しかし元気があると
素麺が食べたいと叫ぶ
お茶は要らない氷が欲しいと
ある日比較的元気な日に
素麺とにゅうめんを交互にしてと
実際食べないんだが
それを聞いてた隣のおばあさんが
私も素麺が食べたいと
リクエストしたら
イライラアイスさんは
自分の悪口言ってると勘違い
カーテンから出て来て
くってかかる❗
悪口言わないで❗と
隣のおばあさんは
そんなんじゃないよと平謝り
私はなんで謝る？とか思うが
これが人生長く生きてきた処世術か
謝り続ける
アイスさん今度は自分が切ない
居心地悪いから
体調は全くよろしく無いのに
退院したいと叫ぶ
全てに反対される
いや実際は退院なんかしたくない
しかし話題をすり替えたい
すったもんだの挙げ句
１日外泊となる
しかし本来そんな
気は無いから
グズグズになる
何にも抵抗しない娘さんは
介護タクシー迄呼んだ
部屋に車イスが来ても
意味不明にやはり無理かもと
抵抗を続けてしまう
しかし看護師さんが一言
とにかく一度帰宅して
嫌なら直ぐに戻れば良いよと
それには逆らえず
だって最初に退院したい家に
帰りたいと泣き叫んだから
むやみやたらと薬を要求し
グズグズを繰り返したが
アイスさんは外泊に出た
健闘を祈るしかない
私を気にして‼️のかまってさんは
永久にかまってさんなんだと
少し感動した　食べない素麺
リクエストしただけが
気がついたら外泊になる
一番切なかったのはアイスさんだ
誰も居ない自宅で一晩
無意味に沢山持ち帰った薬は
ちゃんと服用されないで
翌日疲れ果てて戻って来た
誰もかまってはくれないんだから
自宅は虚しかったはずだ
病室はかまっての嵐だよ
言いたい放題だよと
疲れきったアイスさんは
イライラと切ないを加速させ
後日緩和病棟に移動した
かまってパラダイス‼️である
少しでも体調が良くなる事を
祈るのみだ
整体の先生が見舞いに来ていたが
実に胡散臭い会話だったが
結局否定はされたくない
同意しか欲しくない
そんなアイスさんには
癒しだったかも知れない