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最悪の結果
あの地下室に向かうには重役……レイやカク、翠を含む七人のセブンスヘブンとその秘書だけ乗ることができるエレベーターでしか向かうことができないようになっている。
本来ならば、あの研究室に少なくとも美雪は入ることができないはずだ。
そそのかしたのか、無理やり連れてきたのか……
翠が二人をどうやって連れ去ったのかは不明だが、あの場所にいるということは研究材料にされている可能性が高い。
―――無事であってほしい。
ただただそう願うカクとレイはエレベーターに乗り、地下へと向かっていた。
カクたちが地下の特別研究室の前にたどり着くと、そこには頭から血を流し壁にもたれかかった礼奈の姿があった。
「礼奈!?」
カクは礼奈に駆け寄り、抱きしめた。
まだ体には体温が残り、息もまだある。
―――なぜ、こんな怪我を?
カクは疑問に思って周りを見渡すが怪しい影はない。
それに一緒に居るはずの美雪がいないことも気がかりだ。
カクは特別研究室の扉を睨みつけた。
「礼奈ちゃんの応急処置は自分に任せて。カクは中の様子を……」
「ああ。」
レイに礼奈を預け、カクは頷いた。
部屋の中はよほど危険な状態なのか……それとも……
「カク、礼奈ちゃんの怪我はあの部屋にいる何者かによるものだ。……何が待ってるかは分からないが、くれぐれも油断はするなよ。」
レイの言葉にカクは頷くと特別研究室の扉に手をかけた。
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