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ポツーンと取り残されたフーちゃんは、しばらくそこで、ボケーっとしていたとさ。
って、何がチャンチャン! だよっ! 私とフーちゃんのストーリーはね、まだまーだ続くんだよ!
「そうだよぉ、まだ続くよね」
なんていう会話はどうでもよくて。
ーーーーー
あの後、フーちゃんと自己紹介のしあいっこをした。
「ところで華ちゃんは、なんで泣いていたの?」
そう、私の名前は華、と言うのです。可愛い名前でしょ(どや顔)? いいでしょ?
この名前をつけてくれた母親に感謝! だよねぇ。
でもね、こんないい名前を、歌子ちゃんはからかってくる。「ダサい~」「かわいくない~」って。
悔しいよ。悔しいけどね、それよりもね、親が一生懸命になって考えてくれたであろう名前を、侮辱しないでほしいって話。
フーちゃんに、そんな風に説明をし、今日遭ったことも伝える。
「そりゃあ、酷い!」
フーちゃんは、深く深く頷いて、同情してくれた。
「もう、学校行きたくないよ・・・」
私は、ポツリと呟く。
学校に行ったらいじめられる。そう思うと、体が小刻みに震えだした。
「大丈夫だよ~。華ちゃんは明るくて可愛いし、性格もいいんだから~」
フーちゃんは、そうやって背中をポンポンッと叩いてくれるが、余計に嫌な気持ちになってしまった。
「フーちゃんには、私の気持ちなんてわからないでしょ! フーちゃん、嫌い!」
気付いたときは、そんなことを口走ってしまっていた。ハッとしたけれど、もう遅い。私は、家に向かって一目散に走り出した。
「は、華ちゃん・・・?」
ポツーンと取り残されたフーちゃんは、しばらくそこで、ボケーっとしていたとさ。
おしまい。
チャンチャン!
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