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「う……ん、一応勧められてる学校はあるけど……」
校名を言うと、知花は瞳を大きくして何度も頷いた。
「やっぱ、その学校か。みんな言ってたもん。朋、きっとそこ行くよって」
「そこまでできるわけじゃないけどね……」
困惑の声に、知花が首を振った。
「何を言ってんのよ。いっつも五番以内の人間が言うことか?嫌味にしか聞こえないんだけど」
半分怒ったような知花の声に、朋宏は慌てた。ものごころついた時から、朋宏は知花に絶対敵わない。
「そうじゃないよ。ただ、そこに入ったら野球してる暇ないんじゃないかなってね」
聞くと知花は呆れた表情になった。
「野球?冗談でしょ。医学部に入るって言ったじゃない。そんなのダメダメ。真剣に勉強しても大丈夫なの?ってところだよ」
「分かってるんだけどね……」
朋宏は溜息をついた。
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