第一章 画面の向こうの光景

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 でも、朋宏は自覚している。彼女を意識しだしたから一緒の行動が取れなくなったのだと。朋宏はこの想いが一方通行だと知っていた。知花は朋宏を幼馴染以上には思っていない。  それでも、従兄が理想という彼女は誰とも付き合っていない。自分が一番近い立場の男子……朋宏は、今はそれで満足していた。  もしかしたら状況が変わる可能性もある。だから、野球を続けたいと彼は思っている。拓人には全然敵わないけど、少しでも近づきたい。  いつの間にかインタビューは終わっていた。後半は全然聞いていない……でも、自分にいい意味で自信のある表情が心に残った。
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