第二章 画面の向こうの状況

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 「ほんと?」  きわめて疑い深い視線で下から見上げてくる知花に、朋宏は苦笑した。  「絶対って言えないけど……でも入試だよ。そこまで意地悪な問題でないんじゃないかな、過去問見る範囲では……  知花は数学以外大丈夫みたいだから、集中的に勉強しようか」  「……」  数学を集中的に勉強すると聞いた知花は、本当に嫌そうな表情になった。でも、数学が苦手だと高校生活が大変程度も理解しているようで、今度も渋々頷いた。  そんな表情を見る朋宏は、もう一度苦笑していた。
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