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「あ、あれ、知花のお兄ちゃん!」
横の知花の声に、朋宏は首を傾げた。隣りの家に住んでる、同じ幼稚園の少女に兄がいるなんて聞いたことがなかったから。
不思議そうな朋宏に、知花の母親が苦笑した。
「朋くん、びっくりするわよね。
知花の従兄なの。私の兄の息子……すっかり大きくなったのよね……」
朋宏には、言葉の意味で分からないところがあったけど、知花の親戚だというのは理解できた。少年にも同じように従兄弟がいるからだ。
「じゃ、おばあちゃんちに行ったらいる、お兄ちゃんたちとおんなじなんだ」
知花の母親は微笑んだ。
「そうね。朋くんにも大勢いるんだ」
「うん!」
元気に答える朋宏に知花が怒った。
「静かにして!お兄ちゃんが出てるんだから」
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