第二章 画面の向こうの状況

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 同じ学校なら会うことはできるけど、違う学校だから、カリキュラムがよく分からなかった。それに、もし、同級生や先輩と仲良くなったら、幼馴染が邪魔になるかもしれない。  朋宏は隣りの家へ確認に行けなかった。決定的なことを言われるのが怖かった。偶然隣りに住んでいただけの男子だったと言われることが。  臆病になって、朋宏は知花に連絡を取ることができなくなった。知花は可愛い。彼ができても全然不思議でないし、今までいなかったのが、おかしいくらいだから。  でも、やっぱり諦めきれない。背番号をもらったという理由なら連絡を取りやすい。朋宏は知花のプロフィールを呼びだして、簡単に文章を打って送った……つもりだった。  「え……どうして?」  宛名不明で返ってきた。電話含めて全部試してみたけど、どれも通じていなかった。  完全拒否かと一瞬思ったけど、そこまでする理由はないはず。しばらく会っていない朋宏を拒否する必要はない。  知花に何か起こったと考えた朋宏は、母親に知花にユニフォームを見せに行くと声を掛けた。
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