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「あんまりいちゃ駄目よ。遅いんだからご迷惑よ」
のんびりと言う母親に返す。
「分かった。そんなに遅くならないようにするから」
答えたけど、あまり自信がなかった。知花に何か起こったなら、それを知るまでは帰りたくない。朋宏はユニフォームを掴んで隣りの家に向かった。
玄関を出てすぐだから、一分も掛からないで隣りの家に着く。朋宏は少し遠慮するようにチャイムを押した。母親に言われるまでもなく、遅い時間なのは分かっていた。
=はい……=
少し警戒するような声がドアフォンから聞こえてきた。
「あ……隣りの朋宏です。あの……知花さんに会いたいんですけど」
今までのように気軽に知花のことを呼べなかった。
=朋くん?久しぶりね。何かあった?=
微かに警戒するような雰囲気に、心臓の動きが速くなったけど、朋宏は努めて落ちついて返事をした。
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