第二章 画面の向こうの状況

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 とまどいながら朋宏は頭を下げた。   「ありがとうございます。あの……」  訪問の理由をどう話していいか迷っている朋宏に、知花の母親は疲れたように頷いた。  「知花と連絡してないんでしょ?」  頷いて朋宏は答えた。  「はい……しばらく取ってないです。送っても無視されたから、今の学校の人たちと付き合うからそんな暇なくなったのかなって……」  「でも、今日は来たんだ」  責めているように聞こえない声だけど、朋宏には怒られた気分だった。  「ごめんなさい、おばさん」  「どうして朋くんが謝るの?」  不思議そうな彼女に朋宏は辛そうに言った。
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