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階段みたいな、椅子がたくさん並んでる場所ではたくさんの人が何か叫んでる。
楽器を吹いてる人もいた。丸いポンポンみたいな物を両手で振ってる女の人もいる。みんな楽しそうに見えた。
「あ、お兄ちゃん、打つんだ」
その声に朋宏も真剣に見た。ヘルメットでよく見えないけど、背が高そうで、細くて動きが綺麗だった。
構えて勢いよく振ると、画面から歓声が聞こえてきた。
=ホームランです。大会第七号……=
七号の意味は分からないけど、ホームランの意味を少年は知ってた。すごく遠い場所にボールを飛ばすこと。知花の従兄はゆっくり走ってる。ホームベースに着くと、次の人と軽く手を合わせてる。ベンチに戻っても、みんなとタッチしてた。
「すごいね。ちぃちゃんのお兄ちゃん、ホームランだ。カッコいい……」
「うん。お兄ちゃん、すごいんだよ」
知花は、なぜか自分のように威張った。
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