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「三か月だった。来年には私たち、親になるのよ」
拓人は息を飲んだ。睦月が妊娠……二人の子供を。意味をきちんと理解すると、彼は妻を抱き締めていた。
「俺たちの子供……」
言葉にすると瞳が潤んだ。夢のようだった。未来が見えなかった時、こんな幸せが待っているとは想像もできなかった。
「ありがとう……本当に幸せだ。絶対、二人のためにタイトル獲るよ!」
拓人は力強く言いきった。
その後はすぐに実家の両親、睦月の親に連絡した。みんな、驚いて大喜びだった。もちろん拓人はそれ以上に喜んだ。
「絶対無理するなよ。
家事もしないくていい。人に頼むから。それと、生まれる前にベビーシッター決めないと」
先走っている拓人に睦月が苦笑した。
「家事は大丈夫。それに全然動かないのは、逆に良くないから。
ベビーシッターは……もう少ししてから考えても全然遅くないわ」
それでも、浮かれる拓人を見る睦月も幸せそうだった。
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