何かが…

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「ナ…ナーナ…」 『え…?』 「私の時計… 私と母上だけの時計よ! 誰にも渡…… ……―逃げ―…… さないんだから! あんたなんか…… ……―逃げて―…… 殺してや…… ……―早く逃げて―……! るわよ!!!!」 鈴奈… 所々、本当の鈴奈の声が… 「逃げて」と言っている。 鈴奈は体を操られて… でもね、鈴奈。 私は逃げない。 鈴奈を助けるわ。 『鈴奈を助ける!!』 「殺してやるぅぅう!!」 「きゃああああ!」 鈴奈が襲ってきた! 私は逃げ回ろうと思った。 このままだと、 助けるどこれが死ぬ。 でも、逃げてちゃ、 いつまでも鈴奈はこのまま… 『鈴奈!』 私は鈴奈の腕を掴んで叫ぶ。 『鈴奈!鈴奈!鈴奈! 私!漆佳よ!鈴奈!!』 必死に… 鈴奈は、たった一人の親友。 「ナーナ…ナ… あんたなんか、殺す!! ……―殺して―…」 鈴奈… 鈴奈にとり憑いてる女は、 私の腕を振り払って、 台所へ走った。 私はあとを追う。 …あなたは死なせない… 『鈴奈!!』 鈴奈はすでに、 手に包丁を持っていた。 『鈴奈!!』 鈴奈、私を刺そうとしてるのね。 「ナーナ…」 『鈴奈…鈴奈!!』 「あんたなんか!! ……―私―…… ……―死ぬ―…… こ、殺すんだからね!」 私…死ぬ…? ま、まさかっ…!    
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