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宴も酣。
あっという間に真夜中になって、気づけば子供らもいなくなっていた。
ダンスミュージックなんか居酒屋のBGMみたいな状態で、踊るよりも飲む方にシフトしていた。
「ハニー……」
夫はすっかり酔っ払って、俺に肩にもたれて寝ている。
「このままだと風邪を引くな、そっちの肩を担いでくれないか」
すぐ上のお兄さんに促されて、両脇を支えて部屋に戻る。
投げるみたいにベッドに横たえると、即座に大の字になって寝始める。俺の居場所はない。そのまま部屋の一人がけのソファで小さくなって眠ることにした。こういう狭いところで寝るのは久しぶりだ。彼と暮らす前に住んでいた部屋も相当狭かったけど、座って寝るほどではなかったな。
(そういえば)
そういえばずっと聴きそびれていたけれど、彼は何かを俺に言いたそうにしていた。
ーお前に言わなくてはならないことがある。
聞けないままに一日一日がすぎていっているけれど、そろそろなんの話なのか聞き出したい。考え始めるとなんだか気持ち悪くて、無理やり寝ることにした。
知らないままでいたこともそうだけど、その都度シリアスっぽい雰囲気にされるのも気持ちが悪い。
明日改めて聞いてみようと思う。
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