発症

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 と言ったものの、今の状態で描けるわけがなかった。陰影なしの白黒絵に限定するならまだしも、カラーやグレーが使えなくては何も出来ないに等しい。結局、休むしか道はないのだ。  複雑だった。これを期に、仕事が来なくなるかもしれない。そんな恐怖と、逃げるための言い訳が出来た安心感と。二つが混じりあい、表情すら定まらない。 「バイト応募するかー」  よくよく考えれば、本来辿ろうとしていた道を歩んでいるだけだ。補助とメインじゃ、かなりの違いはあるけれど。  いっそ踏ん切りがついて良いのかもしれない――と、ポジティブさを無理矢理引き寄せた。    そうだ。これを期に、イラストやめようかな。
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