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カレンは一発も当たっていない無傷の状態
「あいつ…」
あれほどの凶器をどうやって…
「なるほどねぇ~…めちゃめちゃすばしっこいって事かぁ~。だったらぁ~」
ノエルとマリンの二人は目を合わせて頷き合った
「調子に乗るなよ、黒髪」
「そうそう、次は確実に仕留めるからね~。あははっ、軽~くバラバラになってもらおうかなぁー」
バラバラね…
「ふ~ん、そっか~。ねぇ、君たち。さっきは隙だらけだったからさぁ、背中に強力な火薬をつけさせてもらったよ」
「「なっ…」」
攻撃をいなされた時
背中や肩に手を触れられていた
あの時か…
「次にボクが触れたら吹き飛ぶと思うよ。さすがにその装備でもゼロ距離で食らえば無事では済まないんだろ?」
こいつ…
「バラバラになるのはどっちかなぁ~」
カレンは軽く微笑んだ
「さぁ?こんなの脱いじゃえばいいだけの話でしょ?」
二人はすぐさま装備を外して地面に捨てた
「じゃあ、いこっかノエル。誘導よろしく」
「ああ、任せろ」
ノエルは鉄扇を横に大きく一振りした
「三日月舞」
すると大きな風が起こり、一本の衝撃波がカレンに飛んできた
「おっと」
風の刃…
ノエルは攻撃の手をやめない
数多の刃がカレンを襲った
飛んでくる刃を前に、後ろに、左右に避け続けた
「よ~しっ!おっけ~♪」
マリンが嬉しそうに声を上げる
「あ、えっ?なっ…」
前に進めない…
カレンは急に身体が浮遊している感覚に陥った
足場がない…
ぐるぐる回る感覚
「やっと捕えたわぁ~」
「ナーイス、マリン」
虚無嘘舞
私の作り出す異空間
捕らわれた者は自分の立ち位置もままならないだろーねー
まんまと誘導されちゃって…
これで避けられないわけだ
案外あっけないものね…
「よーし、ノエル。とどめいっちゃってぇ~♪」
はいよっ
「三日月連舞」
扇の一振りで数個の刃が発生し、全てカレンに向けて飛ばされた
虚無嘘舞に三日月連舞
これぞ無双の合わせ技
文字通りバラバラになるだろう
「そぉら、サイコロステーキだ」
「サイコロステーキはごめんだね」
異空間に捕らわれたカレンは焦る事はなく、装備のポケットからライターを取り出し
ゆっくりと火を付けた
カチッ
その瞬間に、このフロアで大爆発が発生した
物凄い爆発音がガラコ洞窟全体に響き渡る
ーレティフロアー
「今のは?」
「心配しなくていいよ、アルマ」
「えっ?」
「きっと、カレンがドンパチしてるだけだろうから」
ドンパチって…
一体どんな技を繰り出したんだろう…
ーカレンフロアー
ノエルとマリンの姿は跡形も無く、消し飛んでいた
裏手口
空間操作
ボクはあらゆる場所の空間を開いてつないだり、飛ばしたりする事ができる
今のについては街に常設されているガスタンクの中と、このフロア内に空間を開けてそれを繋ぎ、可燃性ガスを流し込んだのだ
あとは着火するだけ
バレずに済めばうまく立ち回れる秘術
魔力の減りが激しいのは欠点だが…
あと数回ぐらいなら…まだ発動は可能だろう
残るは
「あと一人…」
爆煙と赤い火の粉がキラキラと舞う幻想的な空間の中を二人が対峙する
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