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【装備のレンタル】 ボクの家で休憩していた時の話 「飽きた」 「ん?」 「ねぇ、このショボい装備飽きた!」 レティは相変わらず木の盾と棒の初期装備を身に付けていた ステータス 攻撃力:3 防御力:2 「ふざけろ」 「と言われてもなぁ…」 どうしようもない 「依頼に装備なんて関係ないから…別にいいんじゃないかなぁ?」 「どうでもよくない!カッコ悪いじゃん!私だけ!なんかカレンは一人でお洒落しちゃってさぁ」 お洒落って… 「そうでもないと思うよ?」 「そうでもあるの!カレンは何かとヒラヒラさせてるじゃない。色々身につけてさぁ…なにそれ、意味あんの?」 何かとヒラヒラって… 「意味は……あればと思ってつけてるけど…」 「じゃあ、そのスカーフは?」 「これは地元出る前にお婆ちゃんがくれたの。御守りにって」 「じゃあ、そのリストバンドと数珠は?」 「この数珠は金運が上がるとかで、リストバンドは依頼を受けた街の女の子からもらった物。嬉しいから付けてるだけ」 「へ、へぇ~…どうでもいいや」 君が聞いてきたんだよね… 「なら…そのちょっと洒落たベルトは?」 「洒落てるかな…?これが無いと、ズボンがずり落ちて…パンツ姿になっちゃうから」 「……カレンならパンイチで歩いてても許されそうじゃない?」 何を言ってるのか理解できない 「うん、大丈夫だよきっと。そのキャラで行こ?」 親指をこちらに立ててくる 何を根拠に大丈夫なの? 「絶対やだ」 ボクは即答した すると、レティは身に付けている装備を外し始めた そしてインナーだけとなって突っ立っている 「何してんの?」 「これ、着てみてよ」 レティは初期装備を差し出してきた ん?着る? 「何で?」 「いいから!私だけ不公平じゃん」 「はぁ?……もう…」 カレンは渋々装備を受け取った 「ずっーと私はカレンの引き立て役だった訳よ。それを着て、ちょっとはモブの気持ちを味わったらどうなのよ」 どうなのよって言われてもなぁ… 気だるそうに装備変換を行うカレン 現在身に付けている装備を脱いで、薄いインナー姿となる 「ちょっと、カレン…何でインナーまで可愛いの?ねぇ、何で?」 「えっ、可愛いかな?特売で売ってた安いやつだよ?これ」 「そっか…まぁ、別にいいけど。さっさとそのださい初期装備を身に付けて絶望するといいわ」 腕を組んでニヤニヤする彼女 絶望って… まったく…仕方ないなぁ… ーお着替え中ー 初期装備の装着が完了した うわー、本当に昔に戻ったみたいだ 思い出すなぁ 「ど、どお?」 カレンは恥ずかしそうにくるりと1回転して見せた ヒラリ、ヒラリとスカートがなびく ………… 「くそおおぉおぉぁぁぁああ!」 突然の彼女の大声に肩が飛び跳ねる びっくりしたぁ… 「な、何…」 レティが半泣きでボクの背中をポコポコ叩いてくる 「くそぉ~…可愛いよぉ~…カレン可愛いよぉ~…チキショーめぇー」 「あ、ありがとう…」 「カレンのあほぉ…うんこたれぇー」 心外だ… 「もうくたばれよぉ~…そこら辺の崖から落ちて、『うわぁ!』ってなれよぉ~」 ボクって、この子の友達だったっけ? いや、敵か…?むしろ敵なのか? 「うえーん…私も可愛いの身に付けたいよぉ~」 レティは泣きながらボクに引っ付いてきた 「わかった…わかったから、離れて」 彼女が全く離れてくれないので ボクの装備を貸すという事で納得して離れてもらった ーカレンの部屋ー 「ボクのお古だけど我慢してね」 クローゼットを開けて、今までに集めた衣装や装備を見せた 「おぉ!流石カレン!けっこう揃ってるじゃん」 「ま、まぁね…」 当時はコレクター魂に火がついて カッコいい衣装や、可愛い装備を手に入れたくて地道にレア素材の回収ばかりをやっていた そしていくつかのお気に入り装備を手に入れたのだ 欲しい物が手に入った瞬間は なんともしがたい気持ちになったものです こんな感じで前までは装備集めに夢中だったけど 今では技と魔法の能力UPに力を入れているところです。 「カレン、アクセサリーは?」 「アクセサリーはタンスの中だから見てみて。良いのがあれば、持ってっていいよ」 「じゃあ、全部」 「却下。全部は困る」 「冗談だよ~」 ペロッと舌を出して笑う しばらくして、レティは気に入った装備を手にとった 「これがいいかも」 「へぇ、お目が高いね。一回着てみて。サイズとか大丈夫かな…」 「オッケー」 身長も大体同じだし…大丈夫だよね…うんうん 「ちょっと小さい」 「あれ?ほんと?」 「胸の部分が…」 は? 「……」 レティがボクを見てニコニコしてる 「苦しぃ…お胸が苦ちぃよぉ~…」 これは挑戦状と受け取っていいのかな… 「あー…深呼吸する度に擦れちゃう…」 ヤスリ、ヤスリはっと…ここかなぁ あー、あった、あった 「お胸が擦れて痛いよぉ…はぁ…サイズが違いすぎるな、こりゃ」 「そっかそっか~…こっちにおいで。削ってあげるから」 「ちょっ、離して。どこ触ってんのよ!…へ、変態!カレンの変態ダイナマイト!」 「こんなに脂肪つけてたら邪魔だよね~?今からお胸を削ってあげるからね~」 「ひっ…」 手に持ったヤスリを見て青ざめるレティ 「い、いやぁあああああーー!」 どす黒い奇声が街の遠方まで響き渡ったとさ
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