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隣に並んでいる背の高い男性がりおちゃんと同じ指輪をしていた。
さっきのスーツ姿のふたりを連れてるって……
あ!
昨日会った幼なじみの樹はりおちゃんがずっと好きだった。
樹にりおちゃんはどうしてる?って聞いた時、「大神組にいるんだ。いろいろあってさ」って少し寂しそうな顔をしていた。
もしかして―――
「大神奏です」
やっぱり…
りおちゃんは隣に並んだ男性を見上げとても幸せそうだった。
オシャレな喫茶店に誘われて積もる話に花を咲かせた後、外へ出ると雪が舞っていた。
あ、雪だ…
「響ちゃん、雪で電車が動かないみたいだから。家まで車で送ってくって奏さんが」
電車が止まってるって聞いて申し訳ないと思いながら厚意に甘えさせてもらい、
促されるまま高級車に乗った。
「……響?」
低い声に名前を呼ばれた気がして顔をあげると、
そこには、忘れられない人の姿が目の前に。
「……うそ」
うそ!!
二度と会えないと諦めた人が目の前にいた―――
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