一瞬のときめき

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一瞬のときめき

 3回偶然が重なれば愛になる。  1回目はあなたの存在を感じて。  2回目は目があって。  3回目はお互いを認識して。  いつも着ている赤いパーカーの鮮やかさに目を奪われる。  1回目よりも2回目。  2回目よりも3回目。  会う日が遠くなるほどその色は赤く染まり、白色のパーカーが紅色に染まる。  石になった心臓に赤い血が細々と巡るように私の愛の形がそこにあった。  あなたが私を認識しているのに、  私があなたを許容しているのに、  あなたは指ひとつ私に触らない。  暗闇でもわかるあなたの肢体が血を欲して蠢くのがわかる。  いいのよ。  あなたの渇きに私を使って。  いいのよ。  あなたの秘密を永遠に閉じても。  あなたの服に私の色を重ねて。 いいのよ。
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