春の家

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双子ちゃんの1人がお茶を持ってきた。そしてもう1人が私に渡す。 「2人の、お名前教えてください」 「俺は友秋(ともあき)」 「俺は友冬(ともふゆ)」 「あ、だから春って呼んでって言ったのかー」 みんな季節なんだ。お母さんが夏さんかな? 「お母さんも、みなみちゃんって呼んでいい?」 「あ、はい」 「秋、冬。自分の部屋に戻って?お母さんみなみちゃんと話したいの」 「わかった」 物分かりのいいのは冬くん。 「つまんないのー」 なにかと言ってくるのは秋くん。 と言いつつも、退室。 「みなみちゃん、春がごめんね。あの子無理してるとこあるから、疲れやすくて」 「いえ。春くん、無理してるの言いたくないみたいです」 「強がりなの。でもいい子なのよ?春は作業療法師になりたくて。勉強頑張ってるの」 「そうなんですね。私は看護師になりたくて、勉強してるんです」 「そうなの。みなみちゃんに私注射されたいわー」 「頑張ります」 「おはよ…え、あ!」 春くんが起きた…!あ!義足じゃない! 「忘れてた…」 「おはよ、春くん」 「おはよう。ごめん…寝てて」 「いいよ。お母さんとお話ししてたから」 「…そっか」
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