金井友春

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委員長も引き連れて、辰巳とゲーセン行って、2人の距離が縮んだようだ。この間のことは辰巳には言ってないのかな?よかったけど、ゲーセンに行ったことが先生にチクられてしまった。おそらく委員長の大ファンな稲賀(いなが)じゃないだろうか?お陰で居残り授業。そのせいで、塾遅刻の日々。辰巳には親に言われて仕方なく塾に行っている程だが、ほんとは勉強したくて親にお願いして入った。 「(はる)くん、大丈夫?学校忙しいの?」 今日も遅れてきて、居残りしている。 「え、ううん。居残りだから…ゲーセン行ったのバレて」 「そうなの?春くんゲーセン行くの?誰と?友達?」 「うん、友達」 「私も行きたいなー」 「校則違反だけど、いいの?」 「んーだめかなぁ」 この人は同じ進学コースの肥後(ひご)さん。学校違うし、中3だけど…高校入試の為の勉強してるから同じクラス。このクラスは今中3の内容をやっている。勉強を教えてほしいと言われたから仲良くなった。いつも隣の席にいる。 「春くん」 「あ、なに?」 「どこか痛い?」 「え…」 顔に出たかな… 身長が嫌に伸びて、足が痛い。でも新しいのはまだできてないから…もうちょっと待たないとなんだよね。 「具合、悪かったら無理しないでね」 「…大丈夫」 でも、最近けっこう痛いのが増してる。学校でも痛くて、保健室で具合が悪いと言って寝たり起きたり。もう放課後だ。居残り授業出ないと。 「春、顔青いよ?」 「そう?じゃ帰る」 辰巳に心配されたから帰る。でも、塾は行こう。勉強したいから。補習は出ないから、最初から参加できる。…だけど、痛い。だめだ、帰るしかないのか? 「春くん、大丈夫?無理しないで」 「帰る…」 まだ1科目しかやってないのに。あーなんで普通じゃないんだろう、俺。仕方なく、塾を出る。くそ、立ってるのも辛い。 「春くん。足痛い?」 肥後さん…なんで?まだ授業あるのに。 その辺のベンチまで歩いてたところを見られた。今の俺は、余裕なんて、ない。 「あ、痛いね、椅子座ろっか」 見られた。嫌だ。恥ずかしい。 顔も涙で濡れて汚いはずだ。 そんな俺に寄り添って、ベンチに誘導してくれた。 「…迷惑…かけ、て…ごめん」 「春くん、どうしたの?教えて」 嫌だ嫌だ。怖い。 嫌われたくない。 「それは、言えな…」 不意に抱きつかれた。 「春くん深呼吸しよ。落ち着いて。大丈夫だよ、怖くないよ」 「…」 「私がいるから」 「…肥後さん…俺、帰るから親に連絡する、から」 「うん」
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