金井友春

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次の日、ようやっと義足が届いた。ので、早退して病院へ。 「友春(ともはる)くんは、身長伸びるの早いねぇ」 「おかげですごい痛かった」 「無理しないで、休んだらいいのに」 「勉強するから、塾は行きたい」 「あ、塾は?ってことは塾になにかある?」 「そういうことじゃない」 なんて言うけど、よく考えたら… 俺は肥後さんに会いたくて行ってる? 学校は行かず、塾には行く。 「春くん、調子はどう?」 「今日届いたから…もう、大丈夫」 「よかった」 いつもにこにこしてる、肥後さんに癒されている。 「もうすぐ入試だから、勉強頑張らなくちゃ」 「大丈夫だよ。復習でしょ?」 「もう、春くんのとこは1年で中3くらいでも、私は最近習ったとこを今復習してるの!」 「高校は、私立でしょ?たぶん大丈夫だよ」 「高校で遅れを取らないように頑張りたいの!」 「そっか」 「春くんはクラストップ狙うの?」 「それは、難しいかな…友達が結構頭いいんだよね」 「大丈夫だよ、春くんなら」 肥後さんってほんわかしてる。 そういえば最近、辰巳は委員長と手を繋いで登校なんてしない。別れた? 「辰巳、花田さんのこと嫌いになった?」 「なんでだよー。真矢(まや)は稲賀さんが大事だから、学校ではべたべたしないって決めてる!」 「…そう、なんだ」 辰巳ってすごい。俺だったらできるかな? 「学校終わったら遊ぶし、別にいいんだ!そういえば、春は最近いいことあった?」 「なんで?」 「いつもより、機嫌いいから」 「機嫌悪い?いつも?」 「いやーそうじゃなくて!雰囲気?」 「?」 あれか?義足新しいのにしたから?
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