春の家

1/4

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ

春の家

金井友春は同じクラスで、隣の席のだったから最初に仲良くなった。 遠慮がちな性格でありつつも、ムードを盛り上げようとしたり、みんなになにかと気を使ってる。そして、俺のことをなかなか名前で呼んでくれなかった。そして、なにかと塾の話をする。 絶対塾になにかあるな。 それから、春には持病がある。 誰にも話さないが、なんとなく気づく。足が悪いのか、階段の上り下りが辛そうに見えるし、体育は毎回見学。 春は、知られたくないんだ。だから、言わない。 そんな春は、最近機嫌がよさそうだ。 「春、成績上がったんでしょ?いいね」 「なんとか。塾で勉強してるからな」 また塾だ。 「塾って、楽しい?」 「普通?」 そう言いながらも、嬉しそうにした春。好きな子がいるのかも。 いや、いるね。春は気付いてない。 だって、俺なんか…って思ってるに違いない! 春は勉強をよくしている。 趣味かな…? 明日から春休みだというのに! 「ねぇー春は、春休みどっかいく?」 「…え?」 珍しく動揺。いつも塾行くくらいって言うのにな? 「あー、まぁ、塾かな」 「ふーん、俺はデートする。家行って」 「へぇ、なんか仲良いな」 「ねぇ春は、女の子と付き合ったことある?」 「…は?なに」 「なんだよーデートスポット教えてよー」 「知らない」 「暇なときは、ゲーセンまた行こうよ」 「いいけど」 「彼女連れてきてもいいよー」 「…え、彼女」 え、春…どうしたよ? 「なに、彼女いるの?」 「…わから、ない」 顔赤いし、なんだこれ!春はかわいいとこあるな!彼女にしてもいいかも! 「告白したの?」 「…」 春、脳内パンクか? 「話したくなったら話してよ」 あとで聞き出してやるからなー!
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加