怪物の恩

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 手紙はこれで終わりだった。  私は手紙の通り、早速、免許証とお金を確認することにした。机に放っておいた封筒を手に取った。封筒のなかには手紙に書かれていた通り、免許証とお金が入っていた。取り出してから封筒を逆さにしてもう中になにもないか確認した。ひらりと一枚の紙が封筒から落ちる。もう一枚別に免許証サイズの紙が入っていた。  「なんだろ?」  私は紙を拾い上げた。その紙にはさっきの手紙と同じ人が書いたように思われる文字が書かれていた。  「連絡を下されば、いつでも力になります。」  その言葉と共に見たこともない住所が書かれていた。  紙には裏にも文字が書いてあった。  「連絡はこの手紙を届けた配達員に預けていただければ、私の元に届けてくれるはずです。」  そちら側にはその配達員の電話番号であろう11桁の数字が書かれていた。  私はあることに気が付いて封筒ともう一度手に取る。  「消印がない。」  郵便にあるはずの消印がその封筒にはなかった。  「さっきの配達員は人間の顔をしてたのかな?」  私はその手紙を封筒に入れて今でも引き出しの中に大事にしまっている。
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