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感動的な式後の披露宴。
光越の社長の座を捨ててまで志織さんにプロポーズしたものの、
『結婚した途端飽きられそうだから、どっちかが余命宣告されるまで婚約者でいい』
と言い放たれた新郎側主賓光城(結局、光越の会長職に収まった)の、妬みと嫉みたっっぷりのスピーチに始まり。
新婦側同じく主賓の、副島さんのスピーチは、晴臣がよほど恐ろしいのか、終始涙声で震えていた。
極め付けは、ケーキバイト。
「はい、あーーーーん」
司会者の掛け声に合わせ、晴臣が私にありえない大きさのケーキを真顔で食べさせようとしたとき。
「…うっ」
急に言いようのない吐き気に襲われ、ゲストに背を向けへたりこんだ。
おかしい。
私の大好きなフルーツたっぷりのケーキなのに。
「おいっ!?千歳、大丈夫か?」
晴臣が心配そうに背中を摩ってくれても、気持ち悪さは増すばかり。
ザワつく会場。
そんな中、お父さんにカメラを持たされ、最前列でシャッターチャンスを待っていた遼平くんの声がやけにハッキリ響いた。
「もしかして。ちーちゃん、…オメデタ…?」
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