この彫像、殺し文句も言ってきます

33/33
2231人が本棚に入れています
本棚に追加
/295ページ
   その晩、ピンポーンと鳴る前に、明日香はドアを開けた。  なにか気配を感じたからだ。  そろそろ来そう、というか。  ドアの向こうから、人の気配がしたので、大地か秀人だろうと当たりをつけたのだが。  大地のような、気を抜いたら、やられるっ! というような危険な気配ではなく、無色透明な気配を感じたので、秀人だろうな、と思ったのだ。  ドアを開けると、秀人が驚いた顔をした。  ……ような気がした。  まあ、ぱっと見は、全然変わってはいないのだが。
/295ページ

最初のコメントを投稿しよう!