ゴミに出して捨ててやります

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 結婚するのに、ちょうどいい女だと、と思ったあとで、  ……いや、ちょうどよくないな、と気がついた。  昼間のみんなの発言を思い出したからだ。  この人に似合うのは、女優やタレントのように可愛らしいお姫様だ。  なんだかおうちもいいようだし、私とは釣り合わないような……。  たまたまそこに居て、ちょうどよかった、以外に、この人が私をいいと思う理由なんてあるだろうか?  ああ、せめて、私も、ビーナス像のようだったら。  いや、半裸で立っとけとか言われたら嫌なんだけど、と思いながら、二人でラグの上のローテーブルで紅茶を飲んでいた。  ……なにかしゃべってください。  小話でも、いつもの全然役に立ちそうにもない雑学でもいいですから、と思っていると、そのうち、 「明日香」 と秀人が呼びかけてきた。  は、はいっ、と顔を上げる。  秀人はなにか話題を探しているような目をとしていたが、やがて、 「あんまり、廣田を責めるなよ」 と唐突に言ってきた。
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