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はあ、突然、廣田さんの話ですか。
責めるもなにも、最近の貴方の突飛な行動により、彼の迷惑な助言のことは忘れてましたね、と思っていた。
「廣田はたいしたことは言っていない。
俺がお前をどうにかしたくて、勝手な解釈をしただけだ」
と廣田をかばってくる。
「廣田さん、ほんとはなんて言ったんですか?」
秀人は小首をかしげたあとで、思い出しながら言ってくる。
「『結婚する気なら、女を家に連れていって、いちゃいちゃしろ』
『女が部屋に上がれというのは、襲ってくださいという意味だ』」
「……いや、一言一句違ってませんよね」
なんにも拡大解釈してないじゃないですか、と言ったあとで、
「廣田さんの連絡先教えてください」
と言って、嫌だ、と言われる。
「なんで、廣田に連絡をとる必要がある」
「文句を言うために決まってるじゃないですか。
それから、今日、上がれと言ったのは、襲えという意味じゃないですからね」
と念押ししたあとで、
「そうだ。
実家からお菓子もらったんですよ。
持ってきますね」
と立ち上がったとき、家の電話が鳴った。
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