エピローグ

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「明日香、総務に上がるのか」 と言うので、は、はい、と言うと、 「一緒に上がろう」 と言われる。  エレベーターの中で、大地は珍しく沈黙していた。  この人が黙ってるのって、あんまりないけどな。  ああ、自分の考えにはまってるときはあるか、と思いながら、ちらちらと窺っていると、大地は明日香の指輪を見、 「結局、お前、葉月が好きなのか」 と訊いてきた。  少し迷い、 「……最初はよくわからなかったんですけど。  好きかな、と今は思っています」 と言うと、そうか、と言う。  大地は明日香とは反対側を向いて言ってくる。 「まあ……悪かった」 「えっ?」 「お前はいつも俺の話をニコニコして聞いていてくれてたから、お前も俺に好意を持ってくれていると思ってたんだ」 「す、すみません」 と頭を下げると、 「いや、いい」 と言う。
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