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お兄ちゃんは、殴られてボロボロになった男が抵抗しなくなっても殴り続ける。
「璃緒っ、よせ!!死んじまうだろが!」
「俺の舞花が、こいつが!!」
「それ以上はよせっ!」
大神さんが暴れるお兄ちゃんの背を羽交い締めにして止めた。
ハアハア
荒い息を何度も吐くと正気が戻ってくる。
お兄ちゃんはゆらりと振り向くと、榊さんに抱き起こされたわたしを奪うと息もできないくらい強く抱き締めた。
「舞花……」
「…お兄ちゃん、こわ、怖かったよ」
涙で歪む。
お兄ちゃんが来てくれなかったらどうなってたかわからない。
直ぐに鍵を掛けておけって言われてたのに―――
そして、はっと気づいた。
引き裂かれた制服の下から下着が見えて……
「大丈夫だ……何もされてないから。舞花」
宥めるように言った。
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