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「舞花。制服のリボンが曲がってるから直さないと」
パジャマから着替えて西高の制服を着て部屋を出ると、お兄ちゃんが曲がってるリボンを直してくれた。
「髪も結い直しだ。ちゃんとまとまってない」
ポニーテールに紺いろのリボン。
お兄ちゃんの手がするりと髪ゴムを解いてわたしの髪の毛を器用に結い上げた。
「今日の迎えは4時半だぞ。ちゃんと学校で待っていろよ」
「お兄ちゃんの迎えがなくたってひとりで帰れるのに」
「ダメだ。危ないから」
キッパリと言うお兄ちゃん。
母と父が亡くなってからお兄ちゃんはひとりでわたしを育ててくれた。
だからかな?
お兄ちゃんはとっても過保護。
「あ、お兄ちゃん、時間だよっ!」
「まだいい」
「でも!仕事に遅れちゃうよ」
「おまえを学校に送り届けてからだ。それから行く」
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