ひみつの恋

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お兄ちゃんはスーツを着てネクタイを結ぶと玄関のドアを開けた。 玄関の前には車が横付けされてて車の隣に立った運転手が頭を下げた。 「お迎えに参りました」 「おはようございます。いつもお兄ちゃんの送り迎えご苦労様です」 お兄ちゃんの代わりにわたしが返事する。 お兄ちゃんはわたしを車に乗せて隣に座った。 「璃緒さま、若からの伝言です。先に本家に寄って挨拶をと」 「わかった」 お兄ちゃんはわたしを校門前に降ろすと4時半に迎えにくると念を押して仕事に向かった。 「すっげぇよな。高級おベンツで送り迎え。おはよ、舞花」 「おはよう、林くん。送り迎えされてるのはお兄ちゃんであって。わたしは付属だから」 「そのお兄さんは大神物産(株)に勤めてるんだっけ?すげえよな、若くしてあの大神物産の重役だろ?」
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